今日の締め切りのお仕事、なんとか入稿できてほっとしました。
年内に原稿は締め切りだったので、残すところは写真だけだったのですが、このご指示が少々難しく、アシスタントさんがいない私には、ちょっとハードルが高く。調理工程を撮影するのに、手タレと撮影を同時にしなくちゃいけないので、思うように撮れないところもありで、いつも「う~ん?」な感じです。
そういえば、そんな撮影のときは、母に手タレをしてもらったこともあったっけと懐かしくなります。
今となっては本当に母にとっては大変だったことを懸命にやってくれた、病気の初期のころを思い出すと、なんだか胸が痛くなる思いがします。
私から見れば、あれだけ器用でどんなこともできていた母が「できない」ことが多くなっていくことに不安が尽きないところがあったのですが、今のように寝たきり、全廃状態で、すべてのことに私の手がかかるようになってみると、「あのとき」もどれだけ母にとってはハードルが高いことだらけだったのだろうかと思うのです。
「できるはずなのにできない」のではなく、「できないはず」なのに、「がんばったから」「できた」んだなあとわかります。
母が最後に作ってくれたのはサラダでした。母と私のふたりだけの食卓に、レタスや野菜を切ったものを何皿も用意して、そこにはトマトがひとつだけのっているもの、トマトがふたつのっているもの、ゆで卵が半分のっているもの、ゆで卵が1個まるごとのっているもの、ぜんぶがバラバラでした。
その当時の私にはその光景はとても異様で、母に何が起きているのだろうかと、不安しかなかったけれど、今の私が思い出すと、母が持てる力をふりしぼって、懸命に作ってくれたのだとわかります。本当にありがたくて、懐かしくて、胸がいっぱいになってしまいます。
今は何をしても「ありがとう」「ごめんなさい」と母に声をかけていますが、10年以上の歳月の中、さまざまなハードルがあって、ひとつひとつを懸命に乗り越えてきたなあと思います。もちろん、今も、先は見えず、常になんらかの課題を与えられ続けてはいるわけですが・・・。
「よしっ。がんばるよ。ほんとに私はがんばるからね」
何度か自分で声を出して、毎日の課題に向き合っています。
さて。今日の料理の課題は「鏡開き」です。

見た目はまあ、いつものぜんざいではあるんですが、これ、今年のは鹿児島産の黒あずきと、黒糖で作ってみました。
鹿児島は黒豚や黒酢、黒糖、黒糖焼酎、黒こうじ焼酎、黒毛和牛、黒さつま鶏、黒ごまなどなど、黒の食文化が特徴的なので、黒あずきと黒糖で作ってみようと思ったわけです。

黒あずきはこんな感じで農産物直売所でよく見かけるので、ときどき買って使っています。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、黒いだけでなく、粒がとっても小さいんですよ。

訪問看護師さんが甘いものがお好きだと聞いていたので、召し上がっていただきました。
「私、黒あずきははじめてかも」とおっしゃっていました。
味はもちろん、あずきなんですが、粒の小ささがなんだか新しい食感です。
そうそう、マロのクリスマスのべジケーキに使ったのもこの黒あずきです。一応、チョコのかわりでした。
黒糖のこくも加わって、あっさりとした甘みがなかなかでした。