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レイコさんの鹿児島スケッチ おいしいは幸せ時間。鹿児島の「おいしい時間」を発信しています。 画像の上にマウスを置くと、記事のタイトルと記事が少し読めます。興味のある記事をチョイスしてくださいね! 記事や画像の無断転載はお断りいたします。

変わること変わらないこと

若い世代はあまりよく知らないかもしれないけれど、太田裕美さんの大ヒット曲に
「木綿のハンカチーフ」という曲がある。

都会に出て行った恋人男性が変わって行き、田舎で待っていた恋人女性が
捨てられ、「涙を拭く木綿のハンカチをください」という内容で、私はどうにも、
この歌詞がステレオタイプみたいで好きではなかった。

「九月の雨」は好きだったし、太田裕美さんも好きだったのだけど。

メディアが発達して、今は地方都市と首都圏との格差はさほど大きくはない気がする
ものの、考えてみれば、やはり、若い世代は環境によって大きく変化するのは
間違いない。

東京で暮らしていたころ、田舎から上京して働いていたAクンという男性と知り合って、
とても性格のいい子だったから、私と友人たちはみんなで仲良くしていたものの、
しばらくすると、激変してしまい、とても驚いたことがあった。

短期間にここまで変わるものなのか…。

私自身は東京暮らしを続けていても、さほど変わらなかったから、Aクンの激変ぶりには
ステレオタイプであっても、「木綿のハンカチーフ」は実在していたという気がする。

Aクンは「すれた」という言い方をされる変わり方をしてしまったから、
あんなにいい子だったのにと、友達と一緒に嘆いたことを思い出す。

人は変わっていいこと、変わらない方がいいことがある気がする。

職場に向かう道の途中のタクシー会社に子犬が飼われていたことがあった。

捨て犬を拾った方が家では飼えないので、会社で飼ってあげることにしたそうだ。

犬好きの私はもう、その子にあえる楽しさで、とてもかわいがっていたのだけど、
しばらくすると、この子も激変した。

通りすがりに小学生の男の子たちがその子をいじめるようになったから、
とても攻撃的な犬になったのだ。

ここまで変わるのかと、私はAクンのことを思い出し、がっかりしたけれど、
その子は私のことは多くの通りすがりの中でも特別には思っていてくれたようで、
遠くからでも私の姿を見かけると、わんわんと吠えてしっぽを振るから、
やっぱり、私はかわいがっていたのだけど、すぐにいなくなった。

どうしたのだろうと思っていたら、大きな犬を散歩させていた男性の方が
私に声をかけて来て、理由を教えてくれた。

その子をいじめていた小学生の母親がタクシー会社に「あんな危険な犬を
飼うな」と怒鳴り込んで来て、会社では家で飼える人がいなくて、保健所に
やられて処分されたのだそうだ。

私はもうびっくりして、思わず茫然としてしまったのだけど、
犬好きのその男性の方も「ひどいことをしますよね。もともと、あの子たちが
暴力をふるうのが悪いのに」と憤りが隠せない様子だった。

犬と人間を一緒にするのは申し訳ないけれど、変わることで運命も変わる
ことがあるのだろう。

Aクンとは疎遠になったから、その後のことは知らないけれど、
何だかブラックな場所に行ってしまっていたのではないかと思える。

タクシー会社の子もおとなしい犬だったら、そのまま飼われていたのかも
しれないけれど、暴力的な小学生にいじめ殺されていたのかもしれない。

そして、うがった見方をすると、その小学生はその母親にストレスがたまっていて、
犬を叩いたりすることでうっぷんを晴らしていたのかもしれない。
さらに、犬がいなくなったことで、その子のいじめの対象は同じクラスの子に
移行してしまったのかもしれない。

出会いが人の人生も変えて行く。

ただ、どんな出会いであっても、いい意味で変わる努力をせずにゆがんでいくのは
もったいないとしか言いようがない。

私は曲がったことが大嫌い。どんなに人に理解されなくても、バカにされ続けても、
人への感謝や人への尊敬の念を忘れるような人間にはならねーよってんだ。

自分のことしか考えられねーやつは、ほんと、苦手だぜ。

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by kago-fp | 2018-12-19 20:58 | Trackback